PMPーProject Management Professionalに合格するまでの長い旅路

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人生はプロジェクトの連続で、どのプロジェクトもある一定の条件(目標、期間、活動、スケジュール、コスト、リスク等)があると思う。プロジェクトマネージャー(PM)として働き始めた頃は、正直あまりよくわかっておらず、「とにかくプロジェクトを実行したらいいんでしょ」くらいにしか思っていなかった。その途中で、計画や予算管理、コミュニケーションやモニタリングなどの大切さに気づくことになり、色々と戸惑うこともあった。

PMとしてのスキルを測るのは難しいが、実は、国政的に認められているPMの資格というものがあり、PMP(Project Management Professional)もその一つ。

5ヶ月間の勉強と一回の失敗を経て、やっとPMPの試験に合格できた。働きながらの勉強は少し大変だったが、この分野は多くの人が自己投資しており、大きなビジネスモデルの一つである。この記事はPMやその資格に興味がある人のためのもので、筆者が経てきた過程を紹介したい。

PMPとは

まとめると、PMPはアメリカベースの団体「Project Management Institute (PMI)」が運営している資格。PMPと同様に国際的に知名度のあるのが、イギリスベースのPrince2“。.他の資格同様、これらをもっていると、目に見える証としてPMに関しての知識があるということを証明できる(単に口頭で説明するより説得力がある)。

Prince2の方が敷居が低いようだが、PMPには以下に述べる条件をクリアしないと試験すら受けることができない。本番の試験は4時間にもわたる200問の4択問題(自由記述や口頭試験はなし)で、合格したあとは、3年間の間に諸活動(オンラインレッスンや会議への参加)に従事しないと、資格を失ってしまう。

なぜPMP

プロジェクトと一言でいっても千差万別なように、PMPを所得する理由も人それぞれである(職場からの強制、キャリアアップ、学び、昇給、ネットワーク)。もし金銭的なインセンティブが目的なら、PMIがよく使うフレーズ「PMPを持っている人は持っていない人に比べて平均して20%給料が高い」というのに魅力を感じる人も少なくないだろう。実際、PMPのおかげで今の仕事に就けたという友人も数人いる。

筆者の例としては、自分の職業の垣根を超えてPMという枠の中で色んな人と出会うことで、新しいことを学べるかなと思ったことが動機の大きな一つである。また、冒頭で述べたように、人生はプロジェクトの連続(をまとめた一つの大きなプロジェクト/プログラム)であり、これからのプロジェクトや起業(もしあるとすれば)のための勉強になればいいなとも思った次第である。

資格を取得すると決断した後、Prince2ではなくPMPに決めた理由は、あくまで偶然。当時モーリタニアにいた、PMPを取得した友人のオススメだったということがきっかけで、ありがたいことに以下に述べる事前の条件をクリアしていたということも関わっていた。

PMP試験を受ける3つのステップ

お金を払えば試験を受けられる他の資格に比べると、試験を受けるまでの敷居が高いのがPMP。

ステップ1:事前の条件

  1. 高校卒業資格
  2. 7,500時間のPM経験
  3. 35時間のPM関連の授業を過去に受けているか、CAPM資格

— または —

  1. 4年生大学(学士)の学位
  2. 4,500時間のPM経験
  3. 35時間のPM関連の授業を過去に受けているか、CAPM資格

ということで、一筋縄にはいかないかと思います。筆者のケースでは、
1. 学士を証明(修士でも付加価値なし)
2. 3年のPM経験をいくつかの分野(計画・実践・モニタリングなど)を証明
3. 幸いにも、35時間の有料コースをとらなくても、修士や職場の研修などのPM関係の経験を証明

これらは自己申請な部分も多く、PMIが規定を満たしているかの審査がある。また、ランダムで追加の審査に引っかかることもある(筆者はありがたいことに追加審査はなかった)。審査をクリアすると、今度はお金を払うステップにうつる。

ステップ2: 支払い

PMI メンバー
(年会費129 USD)
非メンバー
初回テスト 405 USD 555  USD
二回目 275 USD 375 USD
三回目 275 USD 375 USD

上記の通り、かなり高額なテスト費である(筆者のように、一回目失敗することもあるので、メンバーになることをオススメする)。

ステップ3: テストセンターと日程を決める

よくある他のテスト(支払いとテストセンター・日程を同時に決める)と違って、PMPに関してはまず高いテスト費を支払ってから、1年以内ならいつでも場所・日時を決めることができる。なので、資格を取るぞ!と決めた瞬間にとりあえず支払ってしまうと、後戻りはできないので、準備の動機付けにもなる(とんだビジネスだ)。

とはいっても、テストの準備がいつ完了したかを知るのは結構難しく、住んでいる場所によってはテストセンターを見つけるのも難点である(筆者の場合、当時はモーリタニアというセンターが存在しない国に住んでいるケースなど)。テストセンターが近場にあるかどうかはこのリンクで確認できる。試験の言語も選ぶことができるが、今後も英語メインで活動をしていきたいと思っているので、英語で受験し、英語の本のみで準備することにした(日本語訳の用語などを後でチラ見したが、母語であることを忘れるほど意味がわからなかったので、これで正解だったと思う)。

どうやってPMPに合格したか

やっとこさ手続きを済ませて、いざPMP合格に向けた準備!といってもどうしたらいいか。一言で言うと、練習あるのみ。

一回目のトライ

一回目のテストは、わざわざパリまで行くことになった(もちろん観光も兼ねて)。正直、4時間の英語のテストをなめていた。PMPイズムもあまり理解していなかったこともあるが、見直しの時間もほとんどなかった。以下が、筆者の一回目の準備内容と学び:

  • 実際のPM経験からの予測: 過去の記事「マネージメントに必要な10の心得」でも述べたが、筆者は草の根レベルでPMの経験を積んできた。それが過信となったのか、PMPイズムの細かいニュアンスを深く理解していなかった(10の知識エリアや、特定のツールやインプットなど)ことは学びとなった。
  • PMBOK (6th edition): 1回目に集中したのは、PMPの教科書とも言える、(600ページ以上もある) PIMBOKを読んでメモを取ること。とにかく辞書を読み込んでいるような感じで、あまり頭にスッと入ってこなかった。
  • Rita Mulcahy PMP prep book (9th edition): 一方、こっちはナラティブベースの教材で、上記PMBOKの内容がわかりやすく説明されていた。準備の後半で読み始めたこともあり、こちらを先に読んでもよかったかなと思ったのも学びの一つ。
  • Free test: とにかく昔からのバックパッカー精神(?)のような貧乏な考え方があるのか、とにかく少しでもお金をかけずにテストに挑みたかったため、無料の練習問題をいくつか試した。実際にテストに落ちて思った学びは、4時間フルのテスト(ほとんど有料)を使って本番の感覚を覚えるきだと言うこと。
  • メモ: PMBOKをまとめたメモは、とにかく時間がある時(出張中の機内、寝る前)などに読んできた。学生時代と違ってあまりノートにメモをする習慣が減ったが、とにかく筆者のような右脳で物事を考えるタイプは、字でメモを取るよりは、絵やグラフで覚えた方が良いということも改めて認識した。
  • テストセンターと日程の決め所: 既述の通り、モーリタニアにはテストセンターがなかったため、パリを選び、仕事のスケジュールと調整する必要があった。テストの準備を仕事の前後にし始めて2ヶ月後に、練習問題を6−7割のスコアでとれるようになったことをきっかけに受けることにした。
  • 実際の試験:時間と練習不足。あと、試験が始まってからのチートシート(数式などのメモ)に時間をかけすぎた。ただ腑に落ちないのは、試験を解いていて、特に難しいと感じることがなかったというところで、実際のスコアは結構ひどいものだったこともあり、テストセンターのフランス人に抗議もした(PMPの短所は、難問正解すれば合格を公表していないことと、結果の詳細を受験者に教えないこと)。結果をテスト終了直後に受け、観光を続けるのは結構がっかりしたが、逆に観光のおかげで気持ちを取り戻すこともできた。

二回目のトライ

一回目の学びを基にした準備と学びはこちら:

  • モチベーションと時間を見つける: 6月に失敗し、10月頃までは二回目を受ける気になれなかった(9月にテストセンターのあるケニアはナイロビに異動したこともあり、今後のスキルアップも含めて再チャレンジしようと思ったのがきっかけ)。
  • 本番のシミレーション練習: とにかく一回目の大きな学びは4時間テストの練習不足。いくつか違うオプション(かなりある!)を比較し、値段も評価もよかったPM Prep Castを購入した。正直それぞれの問題文が長く、難易度も高かったので、あまり好きになれなかったが、二回目の本試験の時は結構気楽な思いでテストを受けることができたので、結果オーライ。
  • Rita Mulcahy PMP prep book (9th edition): PMBOKは全く見直さず、とにかくこちらに集中し、一通り読み直した。
  • メモ: 一回目のも含め、テスト問題の見直しも追加したためにかなりの分量になったが、記憶していない内容のみをマーカーでハイライトし、集中して見直すことに。
  • テストセンターと日程の決め所:センターに関しては近場でいくつかオプションがあった。日程に関しては、そろそろこれ以上勉強しても疲れるだけだと思うタイミングにした。具体的には、上記のシミレーションをフルで六回分実施した(4時間×6回+各回の見直し)後、スコアが70%あたりで停滞した時期であった。また、両親がケニアに2週間来ることになったため、2週間テスト勉強ができなくなる前に実施することにした。テストセンターに電話したら、年末休みを1週間伸ばして特別にテスト日を設けてもらった。正直、自信はあまりなかったが、これ以上良いタイミングはなかったと思う。
  • 実際の試験: 一回目と違って、チートシートにも時間をかけず、シミレーションよりも短文で簡単だったため、見直しに時間を割くことこともできた。実際のテストでは、用語の意味という初歩的なものはほとんどなく、10の知識エリアに関する問題をどうマネージャーとして解決するかというものが多かった。

前より簡単だという印象はあったが、前回も合格したかなと思って撃沈したということもあり、正直どう転ぶかわからなかった。試験を終えた直後に出たこのメッセージを見るまでは:

Congratulation!

結構大変だったけど、時間、お金と労力を割く価値はあったかなと思う。ただ、それを確信するには、資格をしっかりと使って学びに繋げてからである。自信を持って言えるのは、試験勉強で覚えた細かい詳細の大半は忘れてしまうということ。国際的に認められたPMPの資格を持った色んな業種の人たちに会う切符をゲットしたということで、色んなアイデアに触れて学び続けていければ本望である。

今回の学び 

国際的なプロジェクトマネジメントの資格「PMP」の試験に費やした準備と費用は一筋縄ではなかったが、失敗と努力を通してなんとか合格することができた。次のステップは実際に活用することである(使用しない資格はただの紙切れにすぎない)

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