モーリタニア1ー人生のターニングポイント

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人生は時に(頻繁ではないものの)ターニングポイントに出会います。そして西アフリカのモーリタニアという全く知らない国にやってくる決断は、まさにターニングポイントだと思います。

この記事では、人生における大事な決断をするプロセスを少し分析したいと思います。具体的には、(1) なぜアフリカ, (2) なぜ西アフリカか,そして (3) なぜモーリタニアかについて述べたいと思います。いつか将来において、過去を遡る際に何かの糧になり、そして理想を言えば、人生のターニングポイントに辿り着く他の人の参考になれば幸いです。

なぜアフリカか

ヒップホップ、音楽、芸術、モダンアート、人類の起源

アフリカは大きな大陸で、多くの国からなりたっており、それぞれの国において、多くの異なる文化や民族、言語に溢れています。なので、他の大陸に比べてどこか違う特有なものがある・・・と想像していました(何分全く知らなかったもので)。

これまでアフリカと全く接点がなかったように感じるものの、思い起こせば最初の強い出会いは、大学時代にブレイクダンスを始めた頃だと思います。このダンスはヒップホップの一つの要素でもあり、70年代にニューヨークで生まれたとされていますが、起源はアフリカにあると言われています。ダンスに関して言えば、最初の目的は儀式に使われ、女性が死者を弔うことの表現として、エジプトのお葬式の絵画に現れているようです。 (Histoire de la danse)。また、インドやギリシャがダンスの起源とされる説もあります。

また、アフリカはジャズやモダンアート(両者とも筆者のお気に入り)の原点ともされています。the Guardianの記事「アフリカが世界に貢献した10のこと(”10 things that Africa has given the world)」によると、「音楽の全ての要素とも言われているリズム、ハーモニー、メロディーそしてジャズの基本はアフリカが原点である。また、20世紀初頭、モダンアートを作り出したヨーロッパの芸術家に強い影響を与えたのもアフリカである」と述べています。

人類に焦点を当ててみればこれもアフリカです。「アフリカについて皆が知らない100のこと(100 things that you did not know about Africa) 」よれば、まず一つ目に、現代人種(ホモ・サピエンス)は東アフリカ(現在のエチオピア)で最古とされる195,000年以上前に人類の跡が発見されたとされています。

とにかく、それら全ての要素(ヒップホップ、ジャズ、ダンス、モダンアート、人類)に関心を持つものとして、アフリカは偉大な存在でした。

好奇心

開発業界で仕事をするようになって、アフリカが話題に挙がらないことは皆無というくらい、この国は(文化的ではなく経済的な)貧困に溢れており、恵まれない人を助けることを糧として開発業界にいるものの一人として、アフリカを知らない限り自信を持って開発を語るに語れないのではとも思っていました。

移動欲

旅人の血が、とにかくどこか違うところに住みたいと思う一方、アフリカの大地に足を踏み入れたことがないため、アフリカで仕事をすることはちょっとした夢でもありました。それを成し遂げるには、チャンスを見つけ出しては実行するしかないと思っていました。

なぜ西アフリカか

たくさんの国が集まるこの大陸ですが、西アフリカを迷わず選んだのは、フランス語が理由です。チリのUNESCOで働き始めて毎日のように本部パリからフランス語と英語のメールを受け取るようになってから、「なんだこの言語は」というところから始まり、覚えたいという気持ちが強くなり独学するようになりました。本やCDを通してある程度は上達したものの、進歩が停滞しているのは明らかでした。

モンゴルで勤務中、「違う上司の下、1年間務めた全く同じポストのための面接試験を行う」といった少し奇妙な経験をしました。その際に、「将来西アフリカでフランス語を上達させ、アフリカを知ってみたい。」といったところ微妙な反応をされたことは今でも覚えています。思えば結構前からフランス語の種は少しずつ育っていったとも言えます。

なぜモーリタニアか

率直に言うと、選択と偶然の合間の賜物です。

直接のきっかけは、Junior Professional Officer (JPO)というプログラムに応募した際(機会があればもと後日JPOについて書くかもしれません)。特定の機関を選び、教育セクターに特定し、仏語圏の西アフリカにまで選択肢を狭めました。

そしてモーリタニアを第二希望に選びました(最終的には上記の選択肢からは2カ国しか選べなかった・・・)。そしてvoilà!選考に残ることになり、正直始めに「Mauritania」と太字で書かれた合格レターを読んだときは、「よっしゃ!」というよりも「これからどうなるんだろう」という疑問の気持ちが強かった気がします。というのも、仏語圏ということ以外、本当にこの国について何も知らなかったからです(本当に仏語圏かどうかも再確認したくらいです)。

出発前

時間が過ぎるにつれ、モーリタニアに来ることがどんどん現実味を帯びてきた一方、同国に関する情報は以前のままかなり限られていました。

とにかく想像できたのは、厳しいイスラム国家であり、主な娯楽もアルコールもないという未曾有の世界でした。また、治安(家族帯同可能の勤務地なのでそこは問題ないと判断された)を除いては、基本的なサービスのレベルは今まで勤務したどの国よりも不安なレベルになることが予想されました。例えば、入国・滞在にあたっては10回以上の海外における予防注射が推奨されていました。それも含めて、とにかく出発前は気を引き締めて準備する必要がありました。

到着

パリにおけるささやかな乗り継ぎの後、モーリタニアの空港と仕事の運転手が快く迎えてくれました。

アルコールが禁止されていることをは明確でしたが、実験として2本のワインのボトルを調味料で埋め尽くしたスーツケース(醤油、ナンプラー、料理酒、等)に入れてきました。

旅客よりもスーツケースを運んでチップをもらおうという現地人の方が明らかに多いのではと思われる荷物受け取りゾーンを経てセキュリティゲートを通るとき、「どうか何も起こりませんように」と切に願っていました。。。

が、人生そんなに甘くない。

「何か中に入っているだろう。」明らかにイスラムと思われる服を着た黒人のセキュリティーが怪しげな視線で言う。

(あ、見つかった!)と思いながらも、ポーカーフェイスを装い、何もなかったかのように振る舞う筆者。

「開けろ!」もう一人の全く同じ格好をした黒人のセキュリティーが来てはプレッシャーを与える。このセキュリティーゾーンに二人もスタッフはいるのかとも思ったが、ここはいう通りにするしかない。

そろりそろりと黒いスーツケースを開けては、長細い醤油のボトルを見せてみる。「これのことですか。」とも言ってみる。

「Non, autre bouteille! (違う、他のボトルだ)。」

これはもう隠し通せない….2本のボトルを差し出した時、(税関の中から一緒にいてくれた)新しい職場の運転手が様子がおかしいことに気づきヘルプの一言。

「彼は外交官だぞ!」

5秒くらいの居心地の悪い沈黙が続く。

セキュリティは、右手を引いて、左手をこちらに差し出してこう言った。

「それなら一本だけ持っていけ。」

「え!!??」

何かの聞き間違いかなと思ったが、やはり一本のチリワインをこちらに渡してきた(そのワインは今でも家宝のように残っている)。

感触

兎にも角にも今までになかった感触ばかり(初アラブ、初黒人の国、初アフリカ、初イスラム国家、熱帯地、仏語圏、等)。意外にも食事は結構いける、特にシーフードや魚が豊富(この前に住んでいたモンゴルという内陸国からは想像ができないほど)。

そして以下の写真が示すように、これまで出会ってきた首都のイメージを覆させられるような、砂と貝殻が散乱している首都ヌアクショット(もともと海面より低い位置に存在していたため)。

モーリタニアという異国の地で、これから何が起こるのか・・・

今回の学び 

今回学んだのは、人生のターニングポイントは待つものではなく、好奇心・チャンス・行動を巻き込んで掴むものであるということ。何事も最初は一番難しい時期であり、変化が大きければ大きいほど、それを乗り越えた時の学びも豊富になる。頭ではわかっているが、やはり実際は困難に直面しているときは一筋縄ではいかないので、どんな困難も将来は笑顔で語れるように過ごしたい。

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モーリタニア1ー人生のターニングポイント」への2件のフィードバック

  1. Uyanga

    Hi Hiro,
    It’s good to hear your news from Mauritania ! Very different and very interesting country you’re based now. Keep us posted with your new adventures.
    Oh, and your blog reminded me of your different language skills and again motivated me to keep learning new languages.
    Best of luck,

    返信
    1. MD 投稿作成者

      Hi Uyanga, thanks for visiting and leaving your message. Let’s keep learning and have meaningful days! I wish your best as well!

      返信

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