モーリタニア6 最後ー モーリタニアから得た20の学び


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買い物の最後にはこのセリフ。
仕事を終える時も同僚にはこれ。
飛行機から出る時もフライトアテンダントに言うのも同じ。

そして今、モーリタニアという、1年半弱過ごした国に対して言います。

「Au revoir」(また会う日まで).

モーリタニアではたくさんの「初めて」に触れました:初イスラム国家、仏語圏、新しい組織、初マイカー、難民キャンプにアフリカ大陸。今思い起こせば、アフリカに対する強い偏見があったと思います。

自分のアフリカ像はいたるところでダンス、ドラム、歌がはびこっているというもの(下図)で、とにかく活発な人に出会うのをずっと楽しみにしていました。

思い起こしてみると、想像していたアフリカとはかなり違っていました。

正直言うと、楽しいことと辛いことを天秤にかければ、辛いことの方が多かったかと思います。それでも、今後に繋がるたくさんの教訓を得ることができました。

モーリタニアからの20の学び

イスラムのルールとラマダーン

初日から、この国の厳しさを学びました。長時間フライトを終えてやっとモーリタニアに着いたと思ったら、空港のガードから2本のチリワインのうち1本を没収されました(ことの経緯はこちらにて)。

到着して1週間が経ち、これまでに聞いたことがある程度だった「ラマダーン」が始まりました。ラマダーン最終日に同僚に対して研修を実施しなければならないという無茶振りを経験しましたが、とにかく昼間に水を飲めずに疲労感丸出しの同僚を前に大変な思いをしました。また、ラマダーンを通して、健康に生きるためのリズムについて色々考えさせられました。(詳しくはこちら)。

エンターテイメントが無いなら自分で作れ

映画館が一切ない?それならホームシアターの環境を作ればよい!
アルコールのアクセスが限られている?作ればよい!
ダンスクラブがない?好きなときに踊ればよい。

エンターテイメント皆無というのが、モーリタニアをハードシップの高い国にしている理由の大きな一つ(家族帯同なので治安はそこまで悪く無い)でしたが、上記のようなことを学びました。

ちょっとした助けで感動する

ラマダーンが始まり、少し気持ちがダウンし気味だったころ、サッカーのW杯が始まり、日本チームの侍ブルーのおかげで救われました(詳細はこちら)

大いなる大地

砂漠が9割以上を占めるといわれるこの広大な国で、一粒の雨で笑顔になるという貴重な経験もしました(詳細はこちら)。また、世界から観光客が訪れるこれといった場所もあまりない国ながらも、感動する場所(例:広大な砂丘)もいくつかあります。これらから、毎日が新しく、我々は大いなる大地から生かされている存在だということを再認識しました。

仕事

モーリタニアに来た直接の理由は仕事でしたが、新しい組織で働くことで、文化や仕事の流れなど新しい学びにつながりました(良い例、反面の例も然り)。

エモーショナル・インテリジェンス

職場環境などで、気が滅入りそうになったこともありました。そんなとき、エモーショナル・インテリジェンスに関する文献や本を読んで、少しでも打たれ強い自分になろうという努力もしました。瞑想を毎日続ける習慣もこのおかげで、生活を有意義にするための工夫(以下に述べる3Eもその一つ)もしっかりするようになりました。

言語

言語も含めていかなるスキルを学ぶ一番の方法は使うこと。言語習得に関してはターゲット言語が使われている場所に行き、シャワーを浴びて(インプット)使い続ける(アウトプット)がキーになります。仏語を独学で続けていたものの、なかなか使う機会に恵まれなかったため停滞気味でしたが、モーリタニアで結構上達することができました。また、アラビア語も少し始めましたが、しっかりとしたモチベーションもニーズもなかったため、心が踊ることはあまりなく、一旦中断することにしました。それも学びの一つです。スキル上達に関する記事はこちら

3Eの大切さ

3E(Eat wellー健康的に食べる、Exercise wellーよく運動する、Energize wellーよくエネルギーを蓄える)は数年前から実践するようになりましたが、時に忘れてしまうこともありました。モーリタニアという、ハードシップの高い国に来ると、3Eの大切さ、特に3つのどれが欠けてもダメだということをさらに実感しました。

食に関しては、野菜や果物が充実しているモロッコの八百屋に恵まれました(特に、ジューシーなマンゴーには救われました。17歳の若者経営者、ハッサンのおかげで)。運動に関しては、幸運にも住んでいたアパート幸運で跳んだり跳ねたりできたので、毎日のビデオエクササイズもできました。肝心の睡眠の質に関しては、幾つものモスクに囲まれていたため(モスクから離れて住むのはほぼ不可能)、辛いものがありましたが、なんとか工夫するようにしました。

習慣性

同様に、厳しい環境の中では、日々のルーティーンの大切さに実感しました。1日の始まりは朝ではなく、前日の夜に始まるということを学びました(睡眠の質をキープしてかつ早起きするためには早寝が必須)。起きたあとはあまり考えずに勉強、運動、朝食、出勤という流れを作ってしまえばそこまで苦になりませんでした。また、仕事は緊急時以外は家に持ち込まず、なるべく早く家に帰り、自分のプロジェクトに没頭することに徹しました。出張や旅行でそのリズムが崩れて健康を損なったのも学びにつながりました。

DIY (Do It Yourself)

モーリタニアで手に入る食材も限られているということで、自家製納豆やどぶろく作りを始めました。また、人生で初めて圧力鍋の使い方を学んだのもこの国です。

我慢

公共機関における各種手続きに想像を絶するくらいの時間がかかるために、我慢することも学びました(とにかくストレスをなるべく抑えることが大事)。

第一の洗礼は、運転免許証の書き換えで、指定された日程に運輸省に行っても仕上がっていない、電話もないということで、5回も再訪問させられることに(車がなかった猛暑の頃だったので余計に大変でした)。また、購入した車の登録に、1年以上かかり(第3者にお金を払っていなければ登録すらできなかった)、やっと登録証が届いたと思ったら、記載に大きな間違いがあったという始末。少しくらい伝われば幸いですが、とにかく我慢が大事。他人はコントロールできない、瞑想でもして待つことが大事。

 基本的なルール

車の話が続きますが、首都はヌアクショットの運転マナー(農村部はあまりわかりません)はとにかくカオスで、信号無視は当たり前、「ここから来るの?」というわけのわからない四方八方から車がやってくる。基本的にはルールに縛られることを好まないタイプですが、当たり前だと思いがちな基本的なルールの大事さを学びました。

特に、到着した頃は猛暑の中、なかなか乗せてくれないタクシー(?)を待っていたのも、この国のルールのなさを象徴しているのかもしれない(詳細はこちら

難民キャンプの生活

これまで難民キャンプで/のために働くことはなかったため、難民の生活リズムやその大変さ、そして辛い中でも希望を持つという大切さを学びました。皮肉なことに、キャンプがあるホストコミュニティ(モーリタニア人)の生活や教育、基本的サービスは、難民キャンプ(マリ人)のそれらよりもよっぽど大変であるという現実も学びました。

若者

仕事を通して、若者(10代〜20代前半)の教育やソフトスキル、雇用性を促進する機会に恵まれました。若者はこれからの社会を支えるコアになる年齢層であり、特にモーリタニアを含むアフリカでは若者層の人口の割合がどんどん増えていっています。一方、モーリタニアという少し特有の国にいる若者は、自分を表現する機会になかなか恵まれないという課題を抱えており、周りのサポートが一層必要になっています。

Henry Ford曰く、学び続ける者は若く、学ぶのを止めたものは若く無いということで、筆者自身もモーリタニアの若者から色々学んで若さを保つことができた(?)と思っています。

完璧を求めない 

人生初、車を買いました。基本的にはモノをきれいに保つのが好きなので、最初は頻繁に戦車をしていました(1米ドル以下と安い)が、とにかく砂が多いので、きれいなのは1日くらいで、頻繁に車を洗う価値がないことに気づきました。そこから、完璧を求めない方が楽に生きれるということを再認識(頭ではわかっているけど改めて実感)しました。

休息の意義

使えるエネルギー(物理的、メンタル)は限られており、しっかりと充電することが必要だとを学びました(詳細はこちら)。特に、筆者は昔から体に鞭を打っても大丈夫だったタイプと思いながらも体を潰してきたので、これは大事な学びです。

たとえば、モーリタニアを出る直前に、弾丸旅行をし、その帰りに車を運転したところ、小さな事故にありました(被害が少なかったことに感謝)。20時間のフライトの合間の2つの乗り継ぎ地でも観光するというタフなスケジュールだったので、今後は疲れているときは運転しないことを誓いました。

人の優しさ

上記の事故を通して、モーリタニア人や友人の優しさに触れました。人は一人では生きていけない。

止めどき

筆者も含め、日本人は我慢強い傾向にあります。辛くても続けることが美徳ともされているため、止めどきの判断は非常に難しいです。個人的には、学びを数値化したと仮定して、その価値が長時間辛さに優っていないときは、止めどき。ということで、新たな学びを求めてモーリタニアを出ることにしました(他にもいくつか理由はありますが)。

アフリカの多様性(服、音楽、考え方)

モーリタニアは、とにかく思っていたアフリカ像とかなり違っていました。例えば、音楽やダンスをとってみても、昔から聞いていた太鼓が鳴り響いて人々が軽やかに飛び跳ねるというものではなく、どちらかというと単調の音楽にのって小さな動きをひたすら繰り返すというものです。考え方も他のアフリカの方と比べると比較的温厚なところがあります(モーリタニア人自身がそう言っており、中には「我々は大人しい性格だからテロも起きない」と言っている人も)。ただ、服に関しては正にアフリカと言わんばかりのカラフルなもの(特に女性の服は特徴的)でした。筆者も安い生地を買って自分でデザインした服を作ってもらい、それらを他の国でも着こなすつもりです。

些細なことに対する感謝

モーリタニアでの学びは何と聞かれたらまず一番に出て来るのもの、つまりこれまでのまとめのようなもの:些細なことに対する感謝。毎朝、朝食の前に声に出して祈るようになったのもその気持ちを忘れないように(祈りの内容は、今日という1日を与えてくれたことに感謝し、おいしい朝食でパワーを蓄え、1日を精一杯に生きて新しい学びに繋げるというもの)。研究結果でも、感謝の気持ちを常に持っている人は幸せになる傾向になるといっています。モーリタニアでの一番の学びは、水・電気・空気・命といった普段当たり前に思いがちなものに対して感謝をすることです。

まとめると、モーリタニアに関するイラストは以下のようなもの(右側はアフリカに来る前の想像、左は実際の思い出のまとめ、そして下には、常に誰かからのサポートをもらって生きているという思いを込めました)。

今回の学び 

今回学んだのは、厳しい環境の中で生きることで多くの学びに繋がり、それらを通して、生きるということがどれだけありがたいことだという感謝の気持ちを持つことができる。

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これまでのモーリタニア関連の記事はこちら:

モーリタニア1ー人生のターニングポイント
モーリタニア 2ーラマダーンと生活リズム
モーリタニア 3ーこれはプライベートタクシーか何なのか
モーリタニア 4ーロシアW杯が西アフリカ在住の日本人を勇気付けた
モーリタニア5ー 初めての雨からの3つの学び

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