オーガナイザー (4) ー 12年で13回引っ越しした経験者が語るシンプルに引っ越しするコツ

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これまでに引っ越しを自力でしたことがある、または将来するかもしれない、モノのオーガナイズに興味がある

という方のための記事です。過去には、旅行の際に持って行くものをどうオーガナイズするかについて書きましたが、引っ越しも似たようなものです。ただ、大きな違いといえば、旅行では荷物の大半を住居に置いて戻ってこれるのに対し、引っ越しはたいていの場合後戻りできないので持って行くか手放すかのどちらかという難しい判断を強いられます(特に海外への引越し)。

筆者はこの過去12年の間に13回(国内8回、海外5回)引越しをしてきました。おそらく、近い将来また引越しする予定です。

引越しのニーズも増える一方、そのプロセスはいまだに困難であり、これまでの経験からシンプルに引越しする方法を学んできたので、今回はいくつかオススメを共有したいと思います。引越しをオーガナイズすることは、人生をオーガナイズするといっても過言ではないかと思っています。

まずはじめに、ここで述べるオススメは国内・海外での引越しに適応できると思いますが、あくまで物理的なモノ(何をなぜ運ぶか)に焦点をおきます(契約などの諸々の手続きについては言及しません)。そのために、引越しとはなんなのか、いつ・なぜ・どのようにシンプルに引越しするべきか、そして引越し好きの歴史上の著名人数名を紹介したいと思います。

引越しとは

重複しますが、引越しは旅行と違って後戻りができません。そして、海外に引っ越す場合は特に飛行機に持ち込める荷物の量が限られているため、さらに困難です(高額の郵送料やコンテナを使う場合は除いて)。

文化によっては、自分の住む場所というのは、民族・部族・家族代々の歴史などを象徴しており、まさにアイデンティティの大きな一つとも言えます(長く住んだ家や地域には愛着が湧く人も多いいのもそのため)。一方ので、頻繁に引越しをする人は、逆にそれが(常に動き回る人・遊牧的な)アイデンティティにもなります。言い換えると、引越しは自分が何者かを見つめ直すこととも言えます。

なぜ引越す

旅行の荷物を最小限にする方法という前回の記事でも紹介した通り、十人十色の移動の理由があります:強制的な移動、家族やパートナーとの関係上、仕事、勉強、好奇心、文化(遊牧民)など

例えば、筆者の例(過去12年で13回)をとってみます。

日本 ー アメリカ合衆国
1. 留学 : 日本(大阪)からニューヨーク(クイーンズ)
2. 厳しすぎる家のルールに疲れる  : クイーンズ内(ウッドサイドからジャクソンハイツ)
3. 卒業したきっかけで、アメリカ人のルームメイトと住むことに挑戦 : クイーズからブルックリン(ブッシュウィック)
4. 挑戦: ブルックリンからマンハッタン(lower east side)
5. 経済的な理由 : マンハッタンからクイーンズ(サニーサイド)

アメリカ合衆国 ー チリ
6. インターン : ニューヨークからチリ(サンティアゴ)
7. インターン終了 : チリからニューヨークへ出戻り(サニーサイド)
8. 大学院修了から挑戦へ:ニューヨークからチリへ出戻り(サンティアゴ)

チリ ー モンゴル
9. 仕事 : チリからモンゴル(ウランバートル、UB)
10. 職場から近すぎたので、少し離れて、市場の近くに : UB内
11. より良いキッチンをもとめて、かつ市場の近くに : UB内

モンゴル ー モーリタニア
12. 仕事 : モンゴルからモーリタニア(ヌアクショット)
13. 睡眠の質をもとめて: ヌアクショット内、というか同じアパートの別の部屋(真横にあったモスクからの騒音から少しでも離れるため)

こうしてみてみると、自分自身も、勉強・仕事・好奇心・個人的な理由など、色んな理由で引越ししてきました。これらの経験から言えることは、持って行くモノは少なければ少ないほど引越しが楽になり、生活もシンプルになり、邪魔が入らずに自分の優先するものに集中することができます。

いつ引っ越す(さない)

上記のリスト(平均して年に1回以上の引越し)を見て、引越しをヒョイヒョイと簡単にやってきたような印象を与えたかもしれませんが、毎回引越しするかどうか・できるかどうかで考えて悩んで決断した結果でした(特に海外への引越しの決断は大変でした)。

また、いつ引越しするか(しないか)も大事な要素で、時期によっては引越しシーズンにも重なり(学齢期や年度変わり)、引越し先が見つけにくくなるということもある(筆者も何度か経験しました)ので、今が引越しの時期かなと思った時は、素早く実行することも大切です。

これまでは、一般的な例や筆者のケースを述べてきましたが、引越し好きだった著名人にも視点を移してみましょう。

引越しをこよなく愛した著名人

引越し好きで有名だとよく言われているのは以下の二人:
葛飾北斎(画家)とベートーベン(音楽家)

葛飾北斎 (1760~1849)

北斎は、死ぬまでに93回も引越ししたと言われています(当時の平均寿命50歳から比べるとはるかに長寿の90歳の人生)。

北斎って誰だったかなと思う方もいらっしゃるかと思いますが、以下の絵を見たことがある人は多いはずです。


富嶽三十六景というシリーズの中で最も有名な作品「神奈川沖浪裏」。北斎は19世紀の中でもっとも活躍した日本人画家の一人で、Life雑誌の中でも過去1,000年に最も影響力のある著名人100人の中に、日本人で唯一北斎が選ばれました。

また、素晴らしいアーティストというだけではなく、彼は好奇心旺盛で健康にとても気を使っていたそうです。とにかく絵を描けるだけ描くというのが目標だった彼は、健康で長生きするためにも自分で薬を調合していたようです。とにかく北斎の仕事と健康に対するパッションには頭が上がらず、歴史上尊敬している人のひとりです。

引越しの背景にはいくつか仮説があります:とにかく掃除をするくらいなら仕事をするので汚くなれば引っ越す、クリエイティビティのインスピレーションをうけるための変化を求めて、または単に環境を変えたかった、等。とにかく、仕事命で、死ぬ前に、もう少し長生きしていたらもっと良い絵かかけたのに」ということを散々言っていたようです。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770~1827)

ピアニストの中で世界で一番有名な人といってもいいほどで、彼は22歳でボンに引越ししてから59歳で亡くなるまでに計79回引越しをしてきました(平均して年に2回)。引越しの背景としてはこちらも仮説がいくつかあり、盗作を恐れた・隣人とのトラブルがあった・掃除がすきではなかった・インスピレーションのために環境を変えたなどです。

引越しに持って行く(行かない)ものをどう選ぶか

さすがに12年間で13回も引越しすると、パターンが少しわかってきます。まぁ、大まかにいうと、引越しの大きな流れとしては以下のサイクルです:

持って行くものの判別
荷造り
運搬
荷ほどき
整理

そして毎回うっすら感じていたことが、途中から実感に変わりました。シンプルな引越しという面において重要なことで、結構大半の人に当てはまるかと思うこの発見:

前回の引越しから使ってないモノ、めっちゃあるやん!

おそらく元々必要でないものをなんとなく運んでいたことに気づき、そこでものを手放す3回ルールを実践することにしました。ルールはいたってシンプル:一年の間に3回以上必要だったものは残す、そうでないなら手放す。慣れないうちは手放す際に恐怖に近いものを覚えますが、実際に手放して見て、後から後悔したことは未だに一度もありません。

また、3回ルールはストイックすぎるという方の他のオススメとして、自分に必要な(でない)ものが何なのかを知るためのテクニックとして、「パノラマ写真録」があります。何かというと、名前の通り、とにかく引越しの前に選びに選び尽くされたモノたちを一箇所に集めてパノラマ写真をとり、自分のメールに題名と日付をつけて送ることです。その後(例えば次回引越しする前)にそのメールを見直して、使わなかったものを確認して、自分と相談し合う。

詰まるところ、シンプルな引越しまでの道のりは学びにつながる長いプロセスとも言えます:引越しをすればするほど、自分に必要なもの、そして自分について知ることができます。

また、引越しの目的によって持って行くものを調整することが必要になります(例えば、留学が目的なら、それに関する性提言必要な資料や辞書(なるべき電子系が望ましい)、文房具など)。また、キャパシティ(運べる量や引越し先のスペースや簡単に買えるものなど)も念頭にいれておくと失敗が少ないかと思います。

何度言ってもいいくらいですが、運ぶものが少なければ少ないほど、よりシンプルになります。そのためにも、引越し先はなるべく家具付きだと(入るときに)運んだり(出るときに)売ったりする必要がなくなります。ただ、場所によっては家具付きが見つからないこともあるので、柔軟に対応する必要があります。例えば、ニューヨークのある引越し先ではベッドすらなかったので、他の人の帰国セールでベッドを購入して、小さめのショッピングカートで自力で運ぶということをしたこともあります(以下のような写真ですが、雪道を1時間以上歩いて、周りからは誰だこの変な人はという視線を浴びたのを覚えています)。

もう少し具体的に追求してみます。

シンプルに引っ越すオススメ

引越しには色んなプロセスがありますが、単純にいうと、何が必要かよりも、いらないものを見つけるのが重要ですが、それまた大変です。

シンプルな引越しのオススメとしては、以下の通りです(上記の引越しサイクルよりも少し詳細にオススメを記載したもの):

  1. 必要性 : 既述のオススメ(3回ルール、パノラマ写真)に加えて、必要なに優先順位をつけるとさらに絞りやすくなります(例えば筆者の例では、パスポート、予防接種記録や出生証明など最小限の書類・現金・最小限の衣類・カメラとパソコン・旅行キット・もし余裕があれば引越し先にないような食材など)。
  2. キャパシティ: Il 何キロ持っていけるかを事前に知ることは大事です(特に海外引越しの際)。また、携帯の測りは具体的な測定ができるのでとても便利です(持って行けるスーツケースの量×23kg)
  3. 手放す: 何度も言いますが、ここが最も大事で難しいパートです。優先順位とキャパシティに応じて、そこに当てはまらないものは全て手放す(誰かにあげる、売る、捨てる等)。オススメとしては、瞑想や簡単なウォーキングをした後のすっきりとした頭で再確認(意外に多くのものが削れることに気づきます)。また、読書や仕事で紙を好む人も多いと思いますが(筆者もしかり)、思い切ってデジタル化することも可能です(詳細は本を自炊してスペースを整理する方法にて)
  4. カテゴリー別に分類: 選び終われば、それぞれをカテゴリー別に分ける
  5. 記録: パノラマ写真を撮って次回に備える(Notification機能を使って定期的に自分自身にリマインドするのもありかと思います)

頻繁な引越しの経験からわかったことは、自分に必要なものというのは、その時に自分のやっていることや興味によって変化し続けるということです。北斎のように薬は作れないかもしれませんが、健康に気をつけて90歳までは生きたいと思うので、この世に最後のお別れをする前にどれくらい引越しを重ね、それが進化していくかを自分自身でも観察・分析し続けたいと思います。

今回の学び 

引越しというのは一種のアートであり、生き方を反映するものでもあり、シンプルに引越しをする努力を通して自分に必要なものや自分自身について学ぶことができ、それは常に変化し続ける。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。もしこのブログが気に入った場合は購読お願いします。もしコメントや質問があれば遠慮なくどうぞ。良い学びを!

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オーガナイザー (4) ー 12年で13回引っ越しした経験者が語るシンプルに引っ越しするコツ」への1件のフィードバック

  1. aira

    私もこの歳になって「思い出の品々」を溜め込むリスクを感じ、前回の引越しでかなりの量捨てました。写真やら手紙やら…
    思い出すために置いていても、見なければ思い出さないし、見てないのに思い出すこともある。元気ですか?また、お会いしましょう!

    返信

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