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現代人は、パソコンやデスクワークの影響(オフィス業、学生、芸術家)で、長時間座るようになり、仕事、毎日、そして人生に影響を与えている机とどう向き合うかがますます大切になってきています。
ここここ何十年かの間に、我々は睡眠不足(パソコンや携帯電話のスクリーンは睡眠の敵)の問題に悩まされており、1日の3分の1を過ごす必要がある睡眠環境を整える必要に迫られています。同様に、(睡眠時間以上、1日の3分の1以上)長時間座り続けるという、日々の生産性や健康に影響を与える事実も問題になってきており、机周り(机の上と周り)を整える必要性も出てきました。
そのような背景をもとに、この記事では、主に机周りを整理することが生産性や健康、またはクリエイティビティにどう影響するかということに焦点を置きます。そのために、そもそもなぜ机周りの環境に気をつける必要があるのか、我々が抱えている問題は何なのか、そして机周りをどう整理し、どう習慣付けるかについて触れていきます。
Contents
そもそもなぜ机周りの環境を気にするのか
端的にいうと、長時間机の前に座るからです。そして机周りの多くのものが生産性の妨げになっています。まずは、椅子と机の歴史をついて軽く見てみましょう。
椅子の歴史
歴史を振り返ると、庶民が椅子に座るようになったのはごく最近であるようです。狩猟時代から農耕時代に移り、その後貴族が庶民との差をつけるために椅子が用いられ、1800年代になり産業革命の影響で安価な椅子が出回るようになりました。1900年までには、多くの人が家庭や職場で椅子を使うようになり、現代では1日の3分の1以上座るという状況になっています。
机の歴史
椅子の歴史と同様、机の歴史も過去数世紀に渡って進化してきました。、特にここ数十年の間は技術やコンピューターの進歩によって未曾有のスピードで変化を遂げてきました。以下のビデオと写真は、過去35年間に技術の進歩がどうれほど我々の生活や机環境を変えたかを示しています(Harvard Innovation Lab)。
これらを見ると、コンピューターが、どれだけ机周りのモノがそれまで担ってきた役割を代用できるようになったかがはっきりと分かり、結構衝撃的です(サングラスが必要なのは今も変わらないというメッセージかと思いますが、机の上に置く必要はないかと思いますが・・・)。
ということで、机周りは色々と便利になってシンプルになったようで、ハッピーエンド・・・ということでこの記事を終わります。このページを出る前に、もしよかったら以下の記事もどうぞ(シンプルな机の作り方)。ご訪問ありがとうございました。
・・・と言いたいところですが、ちょっと待って!
まだ終わってません。コトはそんなスムーズにいかないようで、まだまだ問題は存在します。
現代人が抱える机周りの問題
右上に示した机の写真、どれだけの人に当てはまるでしょうか。思うに多くの人が首を横に振るのではないでしょうか。
言い換えると、机周りがごちゃごちゃしている問題は今も健在で、気づかないうちに生産性(プロダクティビティ)に大きな影響をあたえています。実際、仕事やタスクが増えれば扱うモノや資料も増えるので、時間とともにモノが溜まるのは至って自然のことです。その事実を理解しつつも、机周りを整理する重要性をしっかり認識し、意識してオーガナイズする習慣をつけることが大事です。
物理的なモノに加えて、スマフォに妨げられるのも問題です(着信、ソーシャルメディアやアプリの連絡、など)。なので、右上のすっきりした机の写真は一見良いものに見えますが、机の上に携帯を置くのはオススメできません。
まとめると、以下のことが当てはまるのではと思います:
その人の仕事のやり方は、机がどう整理されているかを反映し、逆も然り
集中力の妨げの原因と体がどのように機能するか
机周りを整理することの利点は多くあります:より物理的なスペースができる、タスクに集中できる、効率が良くなる、デキる人に見える、そして何よりスッキリして気持ちが良い。一方、もし机周りがごちゃごちゃしていると、逆の結果になります。 これらは、目や脳などの体がどう機能するかを理解するとさらに実感できます。
人間の目は非常に優れており、無意識レベルでも多くのものを認知します。つまり、机周りにモノがあればあるほど、目はそれだけ多くのものをずっと見ている状態が続きます。例えば、100のモノ(本、ファイル、紙、文具、写真、ポスター、電話、よく動く同僚が視界に入る等)を見ているのと、3つのモノしか視界に入っていないのでは、エネルギーの消費量が違ってきます。
また、集中力と脳がどのように絡んでいるかも、高い生産性を保つために知っていると便利です。例えば、カリフォルニア大学の研究によると、何かの妨げで一度集中力が切れると、集中し直すのに平均して23分15秒かかるという衝撃の結果が出ました。つまり、23分以内に常に何らかの集中力の妨げがある(何かの資料を長時間探す、誰かが動いているのが視界に入る、メールやソーシャルメディアの連絡で注意が引きつけられる等)と、一度も集中している状態になっていないことになり、生産性がなかなか上がりません。
また、ずっと座ったままでいると、同じ思考回路に縛られてしまい、新しいアイデアがなかなか生まれにくいという難点もあります。
これらを踏まえて、机周りをどのように整理すれば良いかについて見て見ましょう。
机周りの整理の仕方
机周りの整理は、他の物理的なスペース整理(家に置くもの、旅行や引越しの際に運ぶもの)に似ています:まずは本当に必要なものを判別し、その他のものや妨げになるものを置かない、そして整理する習慣を身につけること。
自分にとって主要の活動とモノを分析する
人間千差万別ということで、普段する活動内容も違って当然であり、机周りに置くものもそれによって変わってきます。
しかし、普段行なっている活動全てに関するモノを置くのではなく、机を使う活動の中でも主要なものを分析することが第一歩になります。マルチタスク(複数の活動を同時にすること)をしているという人も多いかと思いますが、多くの研究(例:American Psychological Association)によって、マルチタスクは非効率・非生産的だという結果が出ています(マルチタスクというよりは、一つのことから違う作業に移るのを繰り返しているため、集中力が欠けた状態が続いています)。
例えば筆者の例を挙げると、以下が主要活動とそれに必要なモノ(と、あれば助かるけれど棚に入れていても特に困らないモノ)です。
ー言語学習:パソコン、文房具(辞書、参考書)
ーブログ執筆:パソコン、文房具(お絵描きパッド、カメラ、メモ)
ーオンラインコースやその他の学び活動:パソコン、文房具(本)
以上を見ると、パソコンと文房具が主要アイテムだということがわかります。加えて、水やティッシュペーパー、または後述のスタンドデスクくらいです(たまに立っては作業しては、座るというのを繰り返しています)。以下の写真が今住んでいるアパートの机周りです。
職場での机環境にしても、基本的にはパソコンスクリーン、マウス、コップ、テッシュペーパーくらいで、なるべく書類系は机の上に置かないようにしています。
もし主要なアイテムのみを判別するのが難しいという場合は、3回ルールの期間を1年から1日に調整し直すといいかもしれません:つまり、1日のうちに3回以上特定のものが必要だという場合は机周りにキープ、そうでない場合は棚などに収納して机周りに置かない。便利なツールとしては、ファイルフォルダーやペンスタンド、またデスクスタンド(上写真)なども友好的です
机周りに必要でないモノの判別
端的にいうと、必要なもの以外は視界から覗きます。大体のケースでは、書類系、本、時計、ポスター、携帯などが挙げられます(主要の活動とモノによって差異はありますが)。特に携帯電話は生産性と集中力の敵といっても過言ではありません(既述の通り、一度切れた集中力を取り戻すのに約30分くらいかかります)。中には、万が一の連絡が入った時のために携帯は常に周りに置いておきたいという人もいるかもしれませんが、正直いってほとんど無いかと思います(例えば過去3ヶ月にどれだけ同様のケースがありましたか。私は0回)。気になる場合は後述の小休憩の時に携帯チェックをしてもいいかもしれません、
もし必要のないモノを仕舞うことができると、ほとんどモノが視界からなくなること、そして自分に本当に何が必要かに気づくことができます。そしてこれらが出来ると他の物理的なモノの整理にも役立ちます。
ちょっとしたおススメ
もし視界に動く同僚が入るスポットがあるという場合は、その間に棚やボード、本、ファイルなどを置くことでブロックしてしまうのもいいかもしれません(集中力の違いに気付くはず)。騒音に関しては、イヤホンなどをつけて集中する音楽などを聴くのもいいかもしれません(小さなワイヤレスのBluetoothイヤホンがおすすめ)。また、デスクスタンドのように、立ちながら作業できるというモノがあれば、後述の健康面における問題にも対応できてオススメです。
習慣付け
基本的に、モノが増えたり散らかるのは自然ということを念頭にいれて、机環境を整理するには意識的に習慣付けることが大事です(散らかる→掃除→モノが増える→不必要なものを退ける)。習慣になるまでは、「整理習慣」などの付箋などを壁に貼るのもいいかもしれません。整理の習慣が無意識レベルで身についたときにその付箋を剥がすと、とても良い気分になるに違いません(筆者も試しましたが、結構うまくいきました)。
それでは、机周りの整理から少し幅を広げて他の大事な点にも派生していきましょう。
座る、立つ、動く
座る
これまで机周りの整理によって座った時の生産性と集中力を保つことに焦点を置いてきましたが、ずっと座っておけばいいというわけでもありません。実際、座れば座るほど、(糖尿病、血栓、心臓病、癌などのリスクが増える等)健康面の害があるという研究結果が出てきています。スタンドデスクなど、立ちながらパソコン作業ができる環境を整える職場もどんどん増えています。
立つ
ただ、単純に立てば良いのでしょうか。座り続け防止という面では有効的ですが、ただじっと立ちっぱなしでも問題点があります。
筆者は3年ほど、料理人をしていた経験がありますが、1日の半分以上(13時間)は座らずに作業しているという毎日の繰り返しでした。立っていたから健康だったというわけでなく、逆に直立状態が続いたために静脈瘤が出てくるなどの問題に直面することになりました(料理の経験のみが原因かどうかという因果関係ははっきりしていませんが、おそらくそれが大きいかと。あと考えられるのは、長時間バス移動での旅行が続いたことくらいでしょうか)。とにかくじっと座っていても立っていても良いというものではなさそうです。
動く
ということで、一番良いのは、座る、立つ、動くという動作を混ぜることです(例:集中力のいる作業は座り、資料やメールチェックに目を通す時は立ちながら、そして小休憩で歩く)。ポモドーロ式という25分の作業と5分の小休憩というサイクルを繰り返すと生産性が上がり、健康面にも良く、ましてやクリエイティビティ向上にも繋がると言われています(クリエイティブなアイデアは、散歩中、シャワー中などのタイミングで出てくることが多いことも研究結果で出ています)、これに関しても、無意識の習慣になるまでは、付箋などで壁に「座る→立つ→動く」とリマインドする、またはポモドーロ式のアプリなどをパソコンで設定するなども有効的です(25分と5分のスパンでお知らせしてくれる)。
まとめると、机周りがごちゃごちゃする問題や長時間座る問題に対応するために、整理のシステム作りや座る→立つ→動くというのを続けるための習慣付けが必要です(付箋のリマインドは便利)。散歩から戻ってスッキリした机周りを見ることで、リフレッシュして若返りしたような気分になれるのではないでしょうか。座る、立つ、動く作業を楽しんでいきましょう。
今回の学び
机の前に座るのが主流になっている現代社会において生産性、健康、クリエイティビティを向上させるためにも、常に整理し、たまに立って歩くという習慣を身につけることが大切である。
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